琉球ガラスとは?沖縄の歴史を感じる魅力の食器をご紹介

沖縄生まれの伝統工芸品の一つとして、知名度の高い「琉球ガラス」。

鮮やかな色彩や気泡による独特な風合いは、どこか南国沖縄をイメージさせます。

沖縄県内にも琉球ガラス村をはじめたくさんの工房が存在しており、観光スポットとしても人気です。

そんな琉球ガラスは100年以上もの歴史があり、今なお愛されています。
その歴史や特徴を知ったうえで手に取れば、琉球ガラスの魅力がさらに感じられるかもしれません。

ではさっそく、琉球ガラスとはどんなガラスなのか、どのようにして誕生しどのようにして作られているのかご紹介していきたいと思います。

目次

  1. 琉球ガラスとは?
  2. 琉球ガラスの歴史
  3. 琉球ガラスの特徴
  4. 琉球ガラスの原料は何?
  5. 沖縄の美しい海や自然を彷彿させる、琉球ガラスの食器
  6. 食卓に琉球の風を運ぶ琉球ガラスのお皿5選
  7. 琉球ガラス工房glass32 うず皿(クリア)
  8. 琉球ガラス工房glass32 足付うず小鉢
  9. 琉球ガラス工房glass32 カレット三ツ足小鉢
  10. 再生ガラス工房てとてと 叢雲 ボウル(大)(クリア)
  11. 再生ガラス工房てとてと 叢雲 皿(大)(クリア)
  12. 沖縄の自然と職人のぬくもりを感じる琉球グラス5選
  13. 琉球ガラス工房glass32 うずグラス(水)
  14. 琉球ガラス工房glass32 うずグラスロング(クリア)
  15. 再生ガラス工房てとてと 薄泡下玉グラス
  16. 再生ガラス工房てとてと 叢雲 三角グラス(クリア)
  17. 再生ガラス工房てとてと 叢雲 オリオングラス(クリア)
  18. まとめ 沖縄の豊かな自然を感じる琉球ガラスが食卓を彩る

| 琉球ガラスとは?

 

泡盛の入った琉球ガラス

琉球ガラスとは、沖縄本島を中心に作られているガラス工芸品のことです。
その歴史は、明治時代中期が始まりとされています。
しかし琉球ガラスが沖縄県の伝統工芸品に認定されたのは、平成10年と意外にも最近のこと。

近年では、琉球ガラスの体験教室などを開いている工房も多く存在しています。
琉球ガラスがどのようにして作られているのか、体験しながら知ることが可能です。

では実際に琉球ガラスは、どのような方法で製造されているのでしょうか。

琉球ガラスの製造方法

琉球ガラスの製造方法には、以下の二通りがあります。

  • 宙吹き法
  • 型吹き法
作るものの形状などによって、どちらの製造方法を用いるかが決まります。

宙吹き法

高温でドロドロになるまで熱したガラスを、筒状になった「吹き竿」と呼ばれる道具を使って巻き取ります。
その後、息を吹きかけてガラスを膨らませていくのが宙吹き法です。
ガラス工芸品の製造方法として一般的にイメージに湧くのは、この宙吹き法ではないでしょうか。

熱したガラスが冷める前に形作る必要があり、加工の過程でさまざまな形状や模様が偶発的に生まれることもあります。
職人それぞれの風合いや味わい深さが感じられ、まさに偶然の賜物として仕上がることもあるおもしろい製造方法です。

型吹き法

型吹き法は、吹き竿でガラスを巻き取ったあと石膏や金属でできた型に入れます。
そして息を吹き込み膨らませることで、型通りにグラスなどを作ることが可能です。

同じ形状のものを大量生産したい場合には、この型吹き法が用いられます。
同じ型といっても用いる材料や職人の技術によって仕上がりに違いが出るため、一つひとつ異なる風合いを味わえるでしょう。

| 琉球ガラスの歴史

琉球ガラスの製造工程

琉球ガラスが沖縄の伝統工芸品として認定されたのは、平成10年頃です。
しかしその歴史は今から100年以上も前、明治時代中期に始まったとされています。

当時、大阪や長崎からやってきたガラス職人によって製造されていました。
現在の奥武山公園や那覇市の西町近辺で作られていたそうです。

この頃は、ランプのホヤや漬物・駄菓子を入れるための瓶が主に作られていました。
ところが第二次世界大戦によって、上記のガラス工房は壊滅的被害を受けます。

第二次世界大戦を経て発展を遂げた琉球ガラス

戦後1947年頃に入ると、那覇市与儀でガラス製造が再開されるようになりました。
駐屯兵など米軍関係者を中心に、日用品・お土産としての人気が高まります。

しかし、戦時中の空襲により原材料が足りない状況に陥ってしまったのです。
そこで職人たちが目をつけたのが、米軍施設で廃棄されていたお酒やジュースの空き瓶。
この瓶を砕いて溶かし、再生ガラスを原材料にしたのでした。

当時は、まだ軍関係者が主なお客さんだったこともあり、デザインもアメリカ人好みのものが多かったようです。
戦後は、ワイングラスや花瓶を中心に製造されることになります。

平成10年、沖縄県の伝統工芸品に認定

時は流れ、1972年になると沖縄が本土復帰を果たします。
これにより客層が軍関係者から沖縄を訪れる観光客へと変わっていきました。
また、空前の沖縄観光ブームが巻き起こったのもこの頃でした。
ブームを機に琉球ガラスをはじめ、沖縄の伝統工芸品の知名度は全国区になります。

同じ製造方法でも、職人の技術や使用する原材料によって異なる味が出る琉球ガラス。
製品を通じて、職人の真心や温もりを感じられるのも琉球ガラスの魅力です。
一つひとつ手作りされるため、同じものは一つとして存在しません。
こうした伝統を守り続けてきた結果、平成10年には沖縄の伝統工芸品に認定されました。

| 琉球ガラスの特徴

琉球ガラスの気泡

琉球ガラスならではの特徴として、以下のようなものがあります。

  • ぬくもりを感じる丸みを帯びた形状
  • ガラスに閉じ込められた気泡
  • 青や緑の色彩豊かなカラー
それぞれの特徴について、ご紹介していきます。

ぬくもりを感じる丸みを帯びた形状

琉球ガラスは、丸みを帯びた形状になっている点が特徴です。
ガラスなどの人工物は、基本的にクールな印象があります。
しかし一つひとつ手で作られる琉球ガラスは厚み・丸みがあり、ぬくもりを感じる形状になっているのです。

中にはあえてきれいな曲線にせず、縁を波打たせたり凸凹とさせたりしたデザインのものもあります。
そういった部分からも職人のぬくもりが感じられ、琉球ガラスの大きな特徴・魅力となっているのです。

ガラスに閉じ込められた気泡

琉球ガラスの大きな特徴は、ガラスの中に閉じ込められた気泡です。
本来、気泡があるガラス製品は不良品として扱われることがほとんど。
しかし琉球ガラスにおいては、この気泡が独特の味わいをもたらします。

この気泡は、再生ガラスを作る過程で交じることが多いです。
中には、あえて技術的に気泡を生じさせることもあります。

沖縄を象徴する青い海をイメージさせる気泡は、琉球ガラスになくてはならない要素といえるでしょう。

青や緑の色彩豊かなカラー

琉球ガラスといえば、爽やかなブルーをイメージする方も多いかもしれません。
しかし実際には、ブルーだけでも濃淡さまざまな色合いがあります。

さらにグリーン・オレンジ・パープル・ブラウンなど、その色彩はさまざまです。
ほかにも調合次第では、イエローや・レッド、ピンク、ブラックなども作れます。

どんな再生ガラスを用いるかで、仕上がりの色が異なるのも琉球ガラスの楽しさです。
最近では、着色剤を使用することも増え、より色彩豊かな琉球ガラスが作られています。

| 琉球ガラスの原料は何?

黄色の琉球ガラス

琉球ガラスのさまざまな色彩は、素材に用いる原料によって異なります。
現在では、以下の原料を元にしたソーダ石灰ガラスが主です。
各原料を一定の割合で調合することで、ソーダ石灰ガラスを作ります。

原料 割合
珪砂 60%
石灰 10%
ソーダ灰 20%
泡切剤・着色剤等 10%

泡切剤は、ガラスから気泡を取り除くための薬剤です。
調合する着色剤によって、さまざまなカラーに仕上げます。

再生ガラスを使っているところもある

戦後から今もなお、工房によっては廃瓶などの再生ガラスを使って琉球ガラスを製造しているところもあります。
コーラ・バヤリース・ビール・泡盛など原料として使う瓶の色によって、仕上がりがさまざまな色になるのです。

原材料 仕上がりの色
ビール瓶・泡盛の一升瓶 ブラウン系
セブンアップ・コーラ・ペリエの瓶 グリーン系
バヤリース・ジャムの瓶 クリア系

ソーダ石灰ガラスとは異なり、再生ガラス特有の色味や風合いがあります。
琉球ガラスを購入する際は、原料にも着目すると商品選びがより楽しくなるはずです。

| 沖縄の美しい海や自然を彷彿させる、琉球ガラスの食器

琉球ガラス特有の気泡や鮮やかな色彩、温もりのある形状。
その見た目は、沖縄の美しい海や自然を彷彿とさせます。

また同じ琉球ガラスでも、職人・作家さんによって異なる仕上がりになるのも魅力です。
ここからは、琉球ガラスの素敵な食器をご紹介していきます。

| 食卓に琉球の風を運ぶ琉球ガラスのお皿5選

琉球ガラスで作られたお皿や器をご紹介していきます。
琉球ガラス食器が一つあれば、食卓に琉球の風を感じることができるでしょう。

| 琉球ガラス工房glass32 うず皿(クリア)

琉球ガラス工房glass32さんの「うず皿(クリア)」。
まるで風に揺らめくカーテンのような繊細ながらも躍動感のある一枚です。
琉球ガラスならではのぽってりとした厚みもあり、ぬくもりも感じさせます。
一見クリアに見えますが、光の加減で緑や青に見えるなど表情豊かなお皿です。

琉球ガラス工房GLASS32 うず皿(クリア)の詳細を見る

| 琉球ガラス工房glass32 足付うず小鉢

こちらも琉球ガラス工房glass32さんの「足付うず小鉢」です。
ぷっくりとした厚みのある縁は、思わず指でなぞりたくなる美しい曲線美。
沖縄の海の波を感じさせる小鉢に足を付けて、特別感のある食卓を演出します。
シンプルなデザインなので、季節や料理を問わず使いやすくおすすめです。

琉球ガラス工房GLASS32 足付うず小鉢の詳細を見る

| 琉球ガラス工房glass32 カレット三ツ足小鉢

続いても琉球ガラス工房glass32さんより「カレット三ツ足小鉢」をご紹介。
シンプルなデザインながら、底に散りばめられた色ガラスが愛らしい作品です。
3寸サイズの小鉢なので、ちょっとした一品やアクセサリー入れにもご利用いただけます。

琉球ガラス工房GLASS32 カレット三ツ足小鉢の詳細を見る

| 再生ガラス工房てとてと 叢雲 ボウル(大)(クリア)

再生ガラス工房てとてとさんが手掛ける「叢雲(むらくも)シリーズ」から。
琉球ガラス特有の細かな気泡が器の下方に浮かび、雲をイメージさせます。
大きく深めの作りとなっているため、サラダを混ぜ合わせるのにもぴったりです。

再生ガラス工房てとてと 叢雲 ボウル(大)(クリア)の詳細を見る

| 再生ガラス工房てとてと 叢雲 皿(大)(クリア)

再生ガラス工房てとてとさんの「叢雲シリーズ」の一枚です。
お皿の中心から小さな気泡が沸き出たようなデザインとなっています。
繊細で優しい印象で、心安らぐ食事時間を過ごさせてくれそうです。
サラダはもちろん、カルパッチョなどにもおすすめの大皿となっています。

再生ガラス工房てとてと 叢雲 皿(大)(クリア)の詳細を見る

| 沖縄の自然と職人のぬくもりを感じる琉球グラス5選

続いてご紹介するのは、琉球ガラスによって作られたグラスの数々です。
気泡や再生ガラスの風合いなど、沖縄の自然と職人のぬくもりを感じられます。

| 琉球ガラス工房glass32 うずグラス(水)

琉球ガラス工房glass32さんの「うずグラス(水)」です。
まるで零れ落ちそうな水滴のような、淡い儚さと愛らしさを感じさせます。
滑らかな曲線が美しく、ほのかなブルーがとても爽やかです。
くびれがあしわられているため、握ったときに手に馴染みます。

琉球ガラス工房glass32 うずグラス(水)の詳細を見る

| 琉球ガラス工房glass32 うずグラスロング(クリア)

琉球ガラス工房glass32さんの「うずグラスロング(クリア)」です。
上記でご紹介したうずグラスよりも、背が高くなっています。
再生ガラスが生み出す独特の優しい風合いは、何気ない日常に馴染むでしょう。

琉球ガラス工房glass32 うずグラスロング(クリア)の詳細を見る

| 再生ガラス工房てとてと 薄泡下玉グラス

再生ガラス工房てとてとさんの「叢雲シリーズ」のグラスです。
琉球ガラス特有の厚みのあるフォルムと、繊細な気泡が魅力的。
そのまま、酒器としてもお使いいただけます。
カットフルーツやカクテルサラダを盛り付ける器として使っても素敵です。

再生ガラス工房てとてと 薄泡下玉グラスの詳細を見る

| 再生ガラス工房てとてと 叢雲 三角グラス(クリア)

こちらも再生ガラス工房てとてとさんの「叢雲シリーズ」です。
雲の群れのような細かい気泡が、優しく柔らかな印象を感じさせます。
このグラスで一息つけば、ホッと心安らぐ時間を過ごせるでしょう。

再生ガラス工房てとてと 叢雲 三角グラス(クリア)の詳細を見る

| 再生ガラス工房てとてと 叢雲 オリオングラス(クリア)

再生ガラス工房てとてとさんの「オリオングラス(クリア)」です。
こちらも叢雲シリーズの一つで、異なる形のグラスで揃えてみるのもおすすめ。
シンプルながら、優しい美しさを感じさせるグラスとなっています。
お酒やさんぴん茶などを注いで、お楽しみいただくのも素敵です。

再生ガラス工房てとてと 叢雲 オリオングラス(クリア)の詳細を見る

| まとめ 沖縄の豊かな自然を感じる琉球ガラスが食卓を彩る

4つ並んだ琉球ガラス

今回は、沖縄100年以上の歴史を誇る「琉球ガラス」についてご紹介しました。
廃棄された瓶から作られていた琉球ガラスは、独特の気泡や色合いが魅力の一つです。
仕上がりによって異なる色や形状、模様、風合いを楽しむことができます。

また同じ職人さん・製造方法でも、全く同じものは一つとして存在しません。
世界に一つだけの琉球ガラスを、あなただけの一点物を手にとってみてはいかがでしょうか。

琉球ガラスの商品はこちらからご覧いただけます。

琉球ガラス工房GLASS32
再生ガラス工房てとてと

← 古い記事 新しい記事 →