焼き物を彩る装飾技法を徹底解説

目次

  1. 絵付けとは
  2. スリップウェア
  3. 飛び鉋
  4. 刷毛目
  5. 皮鯨
  6. 面取り
  7. しのぎ
  8. 最後に

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今回は陶芸の「装飾」についてご紹介します。 装飾の技法名は、器の名前の1部になっていることもあり、器のイメージに大きく関わるものです。 手仕事で施される装飾では、作品の1つ1つに違いが出てくるので、全く同じものはできあがりません。 それぞれの個性として大事にしたいものですね。 陶磁器で使われる装飾技法を知ることで、よりいっそう器が身近に感じられ、楽しむきっかけになると思います。

|絵付けとは

陶磁器に絵を描くことを絵付けといいます。 器が出来上がるまでには大きく「成形→素焼き→釉薬を掛ける→本焼き」という流れで行われます。 絵付けの1つ「下絵」は、低温で粘土を焼き締める素焼きの後、釉薬を掛ける前に素地に絵付けを施すこと。 その工程から、釉薬の下に絵があるのが特徴です。 また、それに対して「上絵」は、釉薬をかけた本焼き後の素地に絵を描き、再び焼成して絵具を定着させます。 中には、下絵と上絵の両方を組み合わせて作られる作品もあります。 焼き物の産地ごとに特徴があったり、作家さんの表現のこだわりからさまざまな文様や色、材料が用いられています。

・素朴な味わいの染付

染付は有田焼によくみられ、磁器に施されることが多い絵付けです。 また、下絵の代表的な技法として知られています。 素焼きをした素地に、藍色の呉須と呼ばれる絵具で絵を描いた後、透明の釉薬を掛け、本焼きをして完成。 ですので、本焼きの温度に耐えられる絵具しか使うことができず、通常は高温にも耐えられる呉須が用いられて、藍色一色で描かれます。 藍色が織りなす濃淡や、繊細な技術で描かれる線は素朴な味わいがあり、まるで水墨画のような表情があります。

・色鮮やかな色絵

色絵は上絵の技法です。 工程としては、素焼き後、透明の釉薬を施して本焼きをした素地にさまざまな色で絵付けをして、再び低温で焼きます。 つややかな釉薬の上に描かれた絵は、ぷっくりとした手触りが楽しめたり、艶があったり、絵具によって色味や質感も変わります。 低温の焼成で行うため、あらゆる色の絵具が使えることで華やかな雰囲気の表現が可能となる技法です。 白磁の上に赤を基調とした絵付けされたものは「赤絵」と呼ばれ、九谷焼に多く見られます。

・文様の多様さが魅力の印判

手描きの絵付けのほかに、同じ絵柄をハンコのように転写することによって絵付けする技法もあります。 明治時代、同じ絵柄の器を大量生産するために考えられたもので「印判手」とも呼ばれています。 1つ1つ手作業で銅版や石版に絵具をつけて転写するので、絵柄のズレ、かすれやにじみなどがありその器にしかない愛嬌が生まれます。

|スリップウェア

・計算と偶然が楽しい

スリップウェアとは、土に水を加えた「スリップ」と呼ばれる泥漿状の化粧土を素地に掛けて皿などに模様を描く方法です。 化粧土が乾いていない状態で、流したり引っかいたりすることで、おおらかで動きのある模様をつけることができます。 イギリスで、17世紀~19世紀中頃まで盛んに使われていたスリップウェアですが、その後途絶えてしまい、日本の陶工が再び使い始めた技法といわれています。
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|飛び鉋

・有機的でモダンな文様

文様をつけるための特殊な工具「鉋」を使って、文様を施したものを飛び鉋といいます。 器をろくろで回転させながら、「鉋」の刃先を当てて、表面を飛び飛びに削って連続した模様をつけます。 色彩の対比が楽しめる素朴な文様で、現代の食卓にもよく馴染みます。 「小鹿田焼」や「小石原焼」によく見られます。

|刷毛目

・味わい深い刷毛の跡

刷毛で白い化粧土などを素地に塗り、わざと刷毛の跡を残して仕上げた技法を刷毛目といいます。 飛び鉋と同様、回転するうつわに刷毛を当て、リズミカルに刷毛を打ち付けたものは「打ち刷毛目」とも呼ばれます。 また、ろくろは用いずに自由に塗る方法も。 刷毛のサイズや塗る時の力の入れ具合、素材などでさまざまな模様を入れることができます。

|皮鯨

・緩急をつけた色使い

白っぽい釉薬を全体に掛けたうつわの口縁に、黒や茶などの濃い色の釉薬を施したもの。 器の持つ印象がきりっと引き締まります。 「皮鯨」という名前は、口縁部の色濃い部分を鯨の皮、器本体の白やグレーの色味を鯨の脂身の色という見立てにより付けられた名前です。 縁の色濃い部分は、均一に色が施されているものや、跡切れやにじみを作りながら施すなど、作品により違いがあります。

|面取り

・器に立体感を与える

丸みを帯びた器の表面を縦方向にヘラなどで削って、平らな面をつくる技法です。 面取りを施すことで丸い面にメリハリがつき、器に立体感が生まれます。 デザイン次第では、陰影が印象的な仕上がりの作品に。 面取りでは、表面を大胆に削ったり、縦以外にも横や斜めに面を作り出したり、一部だけに施すなど、形や大きさの違いでさまざまな表情を作り出します。

|しのぎ

・シンプルで上品に

「面取り」技法の1つであるしのぎは、日本の伝統的な装飾技法。 通常は作品を成形後、乾燥させてから器の表面を縦方向にヘラなどで削り、凹凸をつけて稜線文様を刻みます。 しのぎの入った器は、素朴でありながらもモダンな印象を持ち、和洋どちらにも馴染みます。 また、文様の太さや模様の入れ方によっても雰囲気が変わります。 ナチュラルなカトラリーとも相性が〇。

|最後に

・みどころとなる「装飾」表現

陶芸には、絵や模様を描いたり、表面を削ったりとさまざまな装飾技法があります。 丁寧な手仕事で作られる器には、大量生産された器にはない存在感がありますね。 同じ装飾でも産地や作り手によって特徴があり、作品の持つ表情や雰囲気が全く異なるのも奥深い魅力。 気になる器にはどんな装飾技法が使われているのか調べてみてはいかがでしょうか。

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