400年以上の歴史を誇る伝統工芸品の有田焼には、さまざまな窯元が存在します。
長い歴史の中で変化しながら、たくさんの窯元が誕生しました。
窯元によって器の特徴が異なり、伝統を重んじたデザインのものや近代的でモダンなデザインのもの存在します。
それぞれの窯元のブランドコンセプトを知ったうえで有田焼を手に取れば、より愛着が湧きますし魅力も感じるでしょう。
そこでこの記事では、有田焼の人気の窯元を中心に魅力や特徴についてご紹介していきます。
目次
- 窯元とは?
- 有田焼の窯元の魅力や特徴
- 有田焼の人気窯元一覧
- 有田焼の窯元別に人気商品をご紹介
- やま平窯
- 有田焼 やま平窯 泡 ラウンドプレート 16.5㎝ Blue
- 有田焼 やま平窯 泡 エッグシェル コーヒーC/S Pink Blue
- 金照堂
- 有田焼 金照堂 麟Lin New York Earth マグカップ
- 有田焼 金照堂 麟Lin New York Pearl カップ
- 賞美堂本店
- 有田焼 賞美堂本店 染錦四方割花籠文 ワインカップ(大)
- 有田焼 賞美堂本店 染錦牡丹唐獅子文 ワインカップ(小)
- まとめ 有田焼の人気窯元の器で食卓を素敵に彩ろう
| 窯元とは?
そもそも「窯元」とは、どういうものを指すのでしょうか。
窯元とは、かんたんに説明すると「陶磁器を製造するところ」のことです。
基本的には、陶磁器を完成品まで作り上げるところを窯元といいます。
窯元と一言に言っても、その規模や製造方法はさまざまです。
個人でやっているところもあれば、数十人の職人が在籍している窯元もあります。
窯元には焼成に使用する窯が必要なので、窯を所有していない場合は窯元としないようです。
窯元であるところは、「◯◯窯」と呼びます。
有田焼でいえば、「やま平窯」や「柿右衛門窯」などが有名です。
他にも窯元によって「◯◯堂」「◯◯製陶所」と呼ぶこともあります。
窯元によって裏印(マーク)がある
陶磁器には、窯元によって裏印が施されているのをご存知でしょうか。
器の底を見ると、窯元ごとに裏印といって文字やマークがあるのです。
人によっては、この裏印・マークを見て、器を探される方も珍しくありません。
実際に、陶磁器を購入したけど購入元を忘れた、今でも販売しているか知りたいといったとき、この裏印・マークを調べて確認することがあります。
すでに自宅に陶磁器がある方は、一度器の裏を確認してみてはいかがでしょうか。
| 有田焼の窯元の魅力や特徴
窯元の基本的なことについては、おわかりいただけたかと思います。
では、有田焼の窯元の魅力や特徴にはどういったものがあるのでしょうか。
ここからは、有田焼の窯元の魅力・特徴についてご紹介します。
有田焼の窯元の特徴は?
有田焼の窯元は、他の焼き物と異なる特徴があります。
それは、一つの作品を複数の職人によって作り上げていくという点です。
有田焼の窯元では、工程ごとにその分野専門の職人が対応します。
成形や施釉、絵付、焼成といった工程を細分化し、異なる職人が作業を行うのです。
そのため有田焼の窯元は、たくさんの職人が在籍し規模の大きい窯元が多い傾向があります。
その多くが400年近い歴史を持ち、現代でも有名ブランドとして名を馳せているというわけです。
有田焼の窯元で作られる器の魅力
有田焼の窯元で製造される器には、どういった魅力があるのでしょうか。
有田焼は、主に磁器で作られたものが多く、透き通った白さが魅力です。
ガラスのようななめらかな肌触りも特徴となっていて、指で弾いたときに鳴る高い音も魅力といえるでしょう。
有田焼は、通常の磁器と違って白磁と呼ばれる色をしているため、絵付を施すと非常に映えます。
有田焼に色鮮やかな絵付をしたのが「初代酒井田柿右衛門」です。
真っ白な白磁に施される絵付けは、非常に美しく多くの人を魅了しました。
さらにこの白磁は、見た目の素晴らしさだけでなく耐久性にも優れています。
そのため実用性にも長けており、昔から多くの人々の食卓で利用されているのです。
| 有田焼の人気窯元一覧
有田焼の窯元は、非常にたくさん存在します。
中には、有田焼が始まった頃から続く窯元もあるでしょう。
ここからは、有田焼の中でも人気が高く有名な窯元を一覧ご紹介していきます。
- 香蘭社
- 柿右衛門窯
- 今右衛門窯
- 源右衛門窯
- 福右衛門窯
- 真右エ門窯
- 弥左衛門窯
- 虎仙窯
- 仁窯
- 深川製磁
今回は、この中から4つの窯元をご紹介していきます。
香蘭社
香蘭社は、創業1879年(明治12年)で、吸収で初めて設立された企業法人です。
創業は上述の通りですが、歴史を辿るとその始まりは1689年に遡ります。
1689年に初代深川弥左衛門は、有田で陶磁器の製造を開始しました。
それから大量生産の時代が到来し、個人経営に限界を感じ始めます。
その後1875年、八代目深川弥左衛門によって香蘭社の全身にあたる「合本組織香蘭社」が設立されました。
香蘭社は、有田焼の技術を用いて磁器製絶縁硝子を最初に作るなど技術力の高さが有名です。
古伊万里様式や柿右衛門様式、鍋島様式はもちろん、金襴手様式など幅広い様式で器を作っています。
有田焼の中でも、伝統と歴史ある窯元といえるでしょう。
柿右衛門窯
有田焼の窯元を語るうえで外せないのが、柿右衛門窯です。
ここまでも何度か登場した「酒井田柿右衛門」によって始まりました。
17世紀に赤絵磁器を完成させ、現在では十五代目(2021年3月現在)まで続いています。
その歴史はおよそ370年に及び、歴史の深さを感じさせる窯元です。
何と言っても余白を活かした鮮やかな絵付が特徴の「柿右衛門様式」が大きな魅力となっています。
当時は、日本国内に留まらず海外でも高い評価を得て広く輸出されていました。
海外では、王侯貴族たちの食卓や空間を彩る存在として人気を集めます。
今右衛門窯
続いてご紹介するのは、約350年の歴史を誇る今右衛門窯です。
江戸時代、鍋島藩の御用窯では、献上品・贈答品としての器作りが行われていました。
とにかく質にこだわったその器は、「鍋島様式」や「鍋島焼」と呼ばれます。
その鍋島様式・鍋島焼を一子相伝で支え続けたのが今右衛門家です。
最高の赤絵師として知られ、現在では十四代目となります。
少し青みがかった素地をしており、裏文様や櫛高台が特徴的です。
染付の他に「色鍋島」「藍鍋島」「鍋島青磁」など、いろんな種類があります。
源右衛門窯
次にご紹介するのは、源右衛門窯です。
上述の柿右衛門窯と今右衛門窯と合わせて「有田の三右衛門」の一つとして知られています。
歴史的に見ると前述の2つの窯元よりも新しく、その始まりは約260年前です。
伝統的なデザインの器も多く存在しますが、現代のライフスタイルやトレンドに寄り添った器も数多く製造しています。
鮮やかな色彩が美しく、その繊細な色使いはたくさんの人を魅了するほどです。
江戸時代後期〜明治時代にかけて低迷期を乗り越えて、昭和50年にはティファニーと洋食器を共同製作するなど、現代でいうコラボ商品にいち早く目をつけた窯元といえるでしょう。
| 有田焼の窯元別に人気商品をご紹介
有田焼には、さまざまな窯元があることがわかりました。
ここからは、当サイトでも取り扱っている窯元をご紹介します。
- やま平窯
- 金照堂
- 賞美堂本店
それぞれの窯元の魅力・特徴と併せて、商品もご紹介していきます。
| やま平窯
有田焼窯元「やま平窯」は、独自技法を用いた器づくりを行なっています。
職人さんたちの深い探究心は、有田焼でも唯一無二の魅力を生み出しました。
中でもやま平窯を代表するのが「エッグシェル」シリーズです。
まるで卵の殻を思わせる薄さでありながら、丈夫な有田焼となっています。
エッグシェルならではの肌触り・使用感は、やま平窯でしか味わえません。
| 有田焼 やま平窯 泡 ラウンドプレート 16.5㎝ Blue
有田焼の窯元「やま平窯」さんの泡シリーズの器です。
16.5cmのラウンドプレートになっており、食卓の一品を彩ってくれます。
使いやすい小皿サイズなので、ティータイムのデザートを乗せる器としてもぜひ。
やま平窯さん独自の特殊技法による泡のようなやわらかい風合いが魅力です。
| 有田焼 やま平窯 泡 エッグシェル コーヒーC/S Pink
有田焼「やま平窯」さんの泡シリーズのコーヒーカップです。
こちらのコーヒーカップは、やま平窯さんが生み出したエッグシェルシリーズの一つでもあります。
卵の殻のように薄く繊細な飲み口は、ぜひとも体験していただきたいです。
ピンクとブルーの二色展開ですので、結婚祝いの贈り物やペア使いにもおすすめ。
| 金照堂
金照堂は、1961年創業の窯元です。
有田焼の400年以上の歴史からすれば、比較的新しい窯元であることがわかります。
しかしその400年の歴史を受け継ぎながら、現代とマッチしたデザインの器を数多く生み出している窯元です。
伝統や歴史にとらわれず、新しいスタイルの有田焼を次世代に伝えていこうと取り組んでいます。
最近では、器の他にもタイルを開発するなどインテリア分野にも進出しており、チャレンジ精神あふれる窯元といえるでしょう。
| 有田焼 金照堂 麟Lin New York Earth マグカップ
有田焼「金照堂」の「鱗Lin New York Earth」シリーズのマグカップです。
アンティーク感あふれるブロンズの色味で、大人っぽい風合いとなっています。
有田焼の伝統的な技術を活かしながらも、次世代を見据えたデザインが魅力的です。
日本茶やコーヒーなど、いつもの一杯を上質に楽しめることでしょう。
| 有田焼 金照堂 麟Lin New York Pearl カップ
有田焼「金照堂」さんの「鱗Lin japan」シリーズの一品です。
アンティークなメタリック感が特徴的で、独特な風合いを楽しめます。
見る角度によってさまざまな色味を楽しめ、幻想的なデザインが素敵です。
伝統を大事にしながらも、モダンで近代的な新しい有田焼といえるでしょう。
| 賞美堂本店
昔から続く有田焼の大きな魅力は、何と言っても白磁と色鮮やかな色絵です。
そんな長い歴史が育んできた有田焼の伝統を、現代でも伝えていきたいと器作りに励んでいます。
賞美堂本店のテーマは、「時代をこえて美しく」です。
そのテーマ通り、見るものを虜にする美しい色絵が大きな魅力となっています。
繊細で上品な賞美堂本店の器は、存在感があり食卓のアクセントになるでしょう。
| 有田焼 賞美堂本店 染錦四方割花籠文 ワインカップ(大)
有田焼「賞美堂本店」さんの古伊万里ワインコレクションです。
鮮やかな色絵と金彩によって、彩られたワインカップとなっています。
こちらのワインカップは、「魅力ある日本のおみやげコンテスト2010」でグランプを獲得しました。
さらにラグジュアリージャパン部門で金賞受賞と、名実ともに高い評価を得ています。
| 有田焼 賞美堂本店 染錦牡丹唐獅子文 ワインカップ(小)
同じく古伊万里ワインコレクションのワインカップです。
色鮮やかな色彩が魅力の古伊万里様式は、日本国内に留まらず世界中で愛されています。
美しい色絵は、見ているだけでも見とれてしまうほど美しいです。
ワインだけでなく果実酒や日本酒などにもぴったりなサイズ感となっています。
| まとめ 有田焼の人気窯元の器で食卓を素敵に彩ろう
今回は、有田焼のいろんな窯元についてご紹介しました。
400年の歴史の中で、有田焼には数多くの窯元が存在します。
創業400年近い窯元はもちろん、比較的新しい窯元も多いです。
伝統技術を用いた器を作っている窯元もありますが、現代のトレンドやライフスタイルに合わせてモダンで前衛的なデザインの器を製造している窯元もたくさんあります。
有田焼と一言に言っても、窯元によってその器の魅力や特徴は大きく異なるといえるでしょう。
ぜひ自分好みの有田焼を見つけて、食卓を素敵に彩ってみてはいかがでしょうか。
有田焼の商品はこちらからご覧いただけます。
有田焼の商品一覧ページ