私たちが普段何気なく使っている器。
その中には、日本の伝統的な焼き物・和食器もあるかと思います。
みなさんは、日本の焼き物の歴史や産地、種類、名称などどれくらいご存知でしょうか?
この記事では、日本の焼き物の歴史や産地などについてご紹介していきます。
日本の伝統的な焼き物や陶磁器の歴史を知ることで、今まで以上に和食器が好きになるはず。
これからもっと器にこだわって、素敵な食卓を目指していきましょう!
目次
- 焼き物の歴史
- 焼き物の産地・名前一覧
- 波佐見焼/長崎県
- 波佐見焼の焼き物・和食器
- 有田焼/佐賀県
- 有田焼の焼き物・和食器
- 丹波焼/兵庫県
- 丹波焼の焼き物・和食器
- 美濃焼/岐阜県
- 美濃焼の焼き物・和食器
- 萬古焼/三重県
- 萬古焼の焼き物・和食器
- やちむん/沖縄県
- やちむんの焼き物・和食器
- まとめ|日本全国のいろんな焼き物で食卓を豊かにしよう
| 焼き物の歴史
まずは、日本の焼き物の歴史について知っていきましょう。
日本は、縄文土器にはじまる土器を時代を経て、徐々に陶器が浸透していきます。
5世紀頃には朝鮮から「須恵器」というものが伝来し、7世紀に唐から釉薬の技術が伝わってきました。
その後、平安時代末期〜鎌倉時代にかけて、「六古窯(ろっこよう)」と呼ばれる日本を代表する6つの窯で陶器生産がスタートします。
17世紀初頭に磁器が誕生する
室町時代〜安土桃山時代にかけては「茶の湯」が流行り、それに合わせて日本独自の焼き物文化が形成されていきました。
それから文禄・慶長の役によって朝鮮から連れて来られた陶工が、全国で窯開きをします。
これによって日本の陶器製造に関わる技術や生産力は、一気に飛躍するのでした。
そして17世紀のはじめ頃、李参平(りさんぺい)という陶工が肥前有田で磁器の焼成を成功させます。
その磁器の製造方法は、九谷や瀬戸をはじめ、京都や砥部、会津本郷など日本各地へと伝えられていきました。
磁器は庶民にも広く愛されるようになり、陶磁器文化はどんどん豊かになっていきます。
日本国内に留まらず世界を魅了した和食器
日本を代表する焼き物「伊万里焼」は、美しい絵付けが施された「柿右衛門様式」や「古伊万里様式」、「鍋島様式」などさまざまな様式があります。
その美しさは、日本だけでなく世界中でも高い評価を集めました。
美しい絵付けと透き通るような白磁は、ヨーロッパ貴族から「白い金」と称されたほどです。
それから時代とともに伝統と歴史を引き継ぎながら、現代に合った新しい作風の和食器も数多く生産されています。
現在では窯元に限らず個人作家も増えており、和食器をはじめさまざまな日用雑貨が国内外問わず人気です。
| 焼き物の産地・名前一覧
ここでは、日本全国になる焼き物の産地・名前を一覧でご紹介していきます。
【北海道】- 北の嵐山
- 小樽焼
- こぶ志焼
▼青森県
- 津軽焼
- 八戸焼
- 小久慈焼
- 鍛冶丁焼
- 台焼
- 藤沢焼
- 堤焼
- 切込焼
- 台ヶ森焼
- 楢岡焼
- 白岩焼
- 平清水焼
- 成島焼
- 新庄東山焼
- 上の畑焼
- 深山焼
- 碁点焼
- 大堀相馬焼
- 会津本郷焼
- 会津慶山焼
- 相馬駒焼
- 二本松萬古焼
- 田島萬古焼
▼茨城県
- 笠間焼
- 栃木県
- 益子焼
- 小砂焼
- みかも焼(三毳焼)
- 渋民焼
- 自性寺焼
- 月夜野焼
- 飯能焼
- 大多喜焼
- 今戸焼
- 無名異焼
- 庵地焼
- 村松焼
- 越中瀬戸焼
- 小杉焼
- 三助焼
- 越中丸山焼(江戸〜明治期)
- 九谷焼
- 大樋焼
- 珠洲焼
- 越前焼
- 織田焼
- 氷坂焼
- 能穴焼
- 高遠焼
- 松代焼
- 尾林焼
- 天竜峡焼
- 美濃焼
- 渋草焼
- 小糸焼
- 山田焼
- 志戸呂焼
- 森山焼
- 賤機焼
- 瀬戸焼
- 赤津焼
- 常滑焼
- 犬山焼
▼三重県
- 四日市萬古焼
- 伊賀焼
- 阿漕焼
- 御浜焼
- 信楽焼
- 湖南焼
- 膳所焼
- 下田焼
- 八田焼
- 湖東焼
- 京焼
- 清水焼
- 楽焼
- 朝日焼
- 吉向焼
- 古曽部焼
- 丹波立杭焼
- 出石焼
- 明石焼
- 赤穂雲火焼
- 王地山焼
- 八鹿焼
- 珉平焼
- 赤膚焼
- 瑞芝焼
▼鳥取県
- 因久山焼
- 牛ノ戸焼
- 浦富焼
- 上神焼
- 法勝寺焼
- 石見焼
- 布志名焼
- 出西焼
- 袖師焼
- 母里焼
- 楽山焼
- 錦山焼
- 八幡焼
- 萬祥山焼
- 御代焼
- 温泉津焼
- 江津焼
- 備前焼
- 虫明焼
- 酒津焼
- 羽島焼
- 広島県
- 宮島焼
- 姫谷焼
- 萩焼
- 堀越焼
- 末田焼
- 星里焼
▼徳島県
- 大谷焼
- 理平焼
- 神懸焼
- 岡本焼
- 砥部焼
- 水月焼
- 楽山焼
- 内原野焼
- 尾戸焼
- 能茶山焼
▼福岡県
- 小石原焼
- 上野焼
- 高取焼
- 蒲池焼
- 一の瀬焼
- 星野焼
- 二川焼
- 有田焼/伊万里焼
- 唐津焼
- 白石焼
- 肥前吉田焼
- 肥前尾崎焼
- 武雄古唐津焼(黒牟田焼/多々良焼/小田志焼)
- 志田焼
- 三川内焼
- 波佐見焼
- 現川焼
- 小代焼(小岱焼)
- 天草陶磁器(内田皿山焼/水の平焼/高浜焼/丸尾焼)
- 高田焼(八代焼)
- 小鹿田焼
- 都城焼
- 小松原焼
- 薩摩焼
- 種子島焼
- 壺屋焼(やちむん)
- 琉球焼
このうち、経済産業大臣から伝統的工芸品として認められているのは以下になります。
大堀相馬焼 | 会津本郷焼 | 笠間焼 | 益子焼 | 九谷焼 |
越前焼 | 美濃焼 | 瀬戸焼 | 赤津焼 | 常滑焼 |
四日市萬古焼 | 伊賀焼 | 信楽焼 | 京焼 | 清水焼 |
丹波立杭焼 | 出石焼 | 備前焼 | 萩焼 | 大谷焼 |
砥部焼 | 小石原焼 | 上野焼 | 有田焼/伊万里焼 | 唐津焼 |
三川内焼 | 波佐見焼 | 小代焼 | 天草陶磁器 | 薩摩焼 |
壺屋焼 |
日本を代表する焼き物「六古窯(ろっこよう)」
日本の古い陶磁器窯のうち、中世から現在まで操業が続いている代表的な6つの窯を総称して「六古窯(ろっこよう)」といいます。
この六古窯は、「越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前」の6つの窯です。
昭和23年頃に、古陶磁研究家である小山冨士夫氏により名付けられました。
平成29年には、「日本遺産」としても認定されている由緒ある陶磁器窯です。
ここからは、先ほどご紹介した一覧の中からいくつかピックアップしてご紹介していきます。
| 波佐見焼/長崎県
古い歴史を持ちながらも、その名が知られることになったのはつい最近のことです。
波佐見焼は、元々有田焼として扱われていた歴史があり、2000年代に入って「波佐見焼」として生産されるようになりました。
その特徴としては、シンプルモダンでおしゃれなデザインが多く、「親しみやすい」「使いやすい」といった魅力があります。
非常に自由な発想で数々の器が作られているため、「特徴がないことが最大の特徴」といわれることも。
| 波佐見焼の焼き物・和食器
波佐見焼 永泉さんの「十草 24cmプレート(ターコイズ)」をご紹介していきます。
淡く優しいターコイズブルーの絶妙なニュアンスが、非常におしゃれな一枚です。
大皿としてパスタなどを盛り付けてもよいですし、ランチプレートなどにも使えます。
ターコイズの他にも、マーメイドピンクがあるので色違いで揃えると可愛いですよ。
波佐見焼 永泉 十草 24cmプレート(ターコイズ)の詳細を見る
| 有田焼/佐賀県
日本における磁器の起源とされているのが、有田焼の産地である佐賀県有田町です。
有田焼の魅力は、何と言ってもその透明感溢れる白磁に色鮮やかな絵付け。
当初は、白磁に藍色のみで染付を行なっていたのですが、時代とともに変化しさまざまな様式が生み出されます。
薄くて軽いけど硬くて丈夫な有田焼は、現代においては日用品としても人気です。
| 有田焼の焼き物・和食器
有田焼 やま平窯さんの「泡 frame ラウンドプレート 16㎝ Black」をご紹介します。
非常にユニークなデザインのこちらのお皿は、独自技法によって作られる泡のような幻想的なデザインが素敵です。
まるで大理石のように上品な高級感があり、食卓の良いアクセントになるでしょう。
ブルーやピンクなどもありますので、ぜひ自分好みのカラーをチョイスしてみてください。
有田焼 やま平窯 泡 frame ラウンドプレート 16㎝ Blackの詳細を見る
| 丹波焼/兵庫県
丹波焼は、兵庫県篠山市で生産されている焼き物です。
特徴としては、約1,300℃の高温で50〜70時間という長時間にわたって焼き締めを行うこと。
これによって、生じる自然釉が独特な色・模様を作り出し丹波焼ならではの魅力を表現しています。
炎の当たり方などによって、異なる色・模様になるため、唯一無二の器を楽しむことが可能です。
| 丹波焼の焼き物・和食器
丹波焼 昇陽窯さんの「碧 マグカップ」をご紹介します。
さまざまな試行錯誤を経て、完成させた「碧シリーズ」のマグカップです。
マットな青緑色が非常に美しく、多くの方を魅了しています。
色鮮やかではありますが、どこか落ち着いた雰囲気もあって食卓を素敵に演出してくれること間違いなしです。
| 美濃焼/岐阜県
美濃焼は、岐阜県の「土岐市・多治見市・瑞浪市・可児市」からなる東濃地域で生産されている焼き物です。
これら地域は日本一の陶磁器産地として有名で、その生産量は日本国内で作られる陶磁器のおよそ50%といわれています。
美濃焼には独自の様式があるわけではなく、自由度の高い多種多様なデザインで作られているのが特徴です。
また陶器に限らず、磁器の生産を行なっているといった特徴も持っています。
| 美濃焼の焼き物・和食器
美濃焼 カネコ小兵製陶所さんの「ぎやまん陶 茄子紺ブルー 楕円鉢」のご紹介です。
「ぎやまん」とは、江戸時代から明治初期に使われていたガラスという意味の外来語。
その名の通り、まるでガラスを思わせるような透明感のある質感が特徴となっています。
深い藍色のカラーがとても美しく、毎日の食卓をワンランク高めてくれそうですね。
カネコ小兵製陶所 ぎやまん陶 茄子紺ブルー 楕円鉢の詳細を見る
| 萬古焼/三重県
萬古焼としては、土鍋や急須が有名でみなさんの家庭で使っているものも、もしかしたら萬古焼かもしれません。
土鍋や急須に関しては、日本国内のシェア率70〜80%となっており非常に広く普及しています。
そんな萬古焼は、陶器と磁器の中間である「炻器」に分類される焼き物で、耐熱性に優れていることが特徴です。
現在では、土鍋や急須のほかにタジン鍋や蚊遣りなども作られています。
| 萬古焼の焼き物・和食器
萬古焼 藍窯さんの「パスタ皿(ブルー)」をご紹介していきます。
深さのあるシンプルなパスタ皿となっており、スープパスタはもちろんシチューなどにもお使いいただくことが可能です。
色鮮やかなブルーですが、スモーキーな風合いとなっており落ち着いた雰囲気となっています。
食卓にスッと馴染みながらも、アクセントとして料理を引き立ててくれるでしょう。
| やちむん/沖縄県
やちむんは、沖縄の言葉で「焼き物」という意味です。
やちむんの特徴は、ぽってりとした素朴な風合いと色鮮やかな絵付けで、沖縄の風を感じるような焼き物となっています。
コバルトブルーやグリーン、ブラウンといった自然を感じる色使いがメインです。
またデイゴや唐草モチーフのものや点打ちというドット柄模様が人気を得ています。
| やちむんの焼き物・和食器
やちむん 陶眞窯さんの「4寸プレート 染付 ドット(ゴスアメ)」のご紹介です。
やちむんといえばコレ! と思わせるドット柄が可愛い4寸サイズのプレート。
取皿としてはもちろん、ちょっとしたおやつや副菜などの乗せるお皿としてもお使いいただけます。
ぽってりとしていて優しく温かい印象のやちむんは、食卓を和やかな雰囲気に演出してくれるでしょう。
やちむん 陶眞窯 4寸プレート 染付 ドット(ゴスアメ)の詳細を見る
| まとめ|日本全国のいろんな焼き物で食卓を豊かにしよう
今回は、日本の焼き物・和食器の歴史や魅力、そして産地についてご紹介しました。
日本には、全国にたくさんの陶磁器窯があり、それぞれが古い歴史と伝統を持っています。
みなさんが住んでいる場所には、焼き物の窯元があったでしょうか?
「今まで知らなかった!」という方は、この機会に窯元へ足を運んでみるのもよいと思います。
本当に日本には、素敵な焼き物・和食器がたくさんありますので、ぜひ日本全国のいろんな焼き物を手に取ってみて豊かな食卓を作ってみてはいかがでしょうか。
和食器の商品はこちらからご覧いただけます。
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