焼き物が好きなら知っておきたい!陶磁器の成形技法

目次

  1. ろくろ
  2. タタラ作り
  3. 鋳込み
  4. 最後に

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焼き物ができるまでには、いくつかの工程を重ねて、イメージしている形や色に近づけていきます。 その中で今回は器の形をつくる「成形」についてご紹介したいと思います。 陶磁器が完成するまでには、土の状態で成形し、乾燥や焼成、装飾などの工程を経ていくうちに縮んだりして成形したての段階から形がどんどん変化していきます。 作り手は、それらを配慮して挑まなくてはなりません。 そして、焼き物を成形するにはさまざまな方法があります。 角ばった形をつくる、丸みのあるフォルムを作るというだけではなく、手仕事の跡が残っていてどこか温もりを感じるもの、反対に個体差が少ない均一な仕上がりのものをたくさんつくるなど、目的によって異なる技法をとります。 同じような形の器でも、作り方が変わると大きく印象が変わるのが陶芸の面白さです。

|ろくろ

・1つ1つの器を、熟練した手仕事で

陶芸を思い浮かべるとき、こちらの成形方法を思い浮かべる方が多いかもしれません。 ろくろと呼ばれる円盤の中心に土を置いて、ろくろを回し、その遠心力を使って手で土を目指すかたちに作っていきます。 電気で自動的に回転する「電動ろくろ」のほか、足で蹴って回す「蹴ろくろ」があります。 蹴ろくろは電動ろくろよりも歴史が古く、昔から使われている技法。 こちらは一定のスピードで回る電動のものよりも、緩急がつくことにより、人の手が感じられる不揃いで温かみのある器を作ることができます。 その風合いに魅力を感じ、蹴ろくろを使うことにこだわる作家さんもいます。 主に、ろくろは飯碗などの円状のものをつくることができる成型方法であり、成形した後に手を加えて形を変えることもできますが、複雑な形の器や角柱などを作る方法としては向いていません。 「土練り3年、ろくろ10年」といわれるほど技術が必要な成形方法なので、同じ形、サイズのものを作るためには鍛錬が必要です。 しかし、1つずつ丁寧に作られた器には独特の個性があり、味わい深さが魅力です。 手仕事の趣きがある器を求める方におすすめ。 ろくろは、土をのせて成形する以外にも、乾燥後に仕上げの段階で用いられたり、装飾を施す際にも使われることがあります。 回転するろくろの勢いが、装飾にも独特の躍動感を生み出します。

|タタラ作り

・あらゆる形を、ぬくもりが感じられるものに

タタラと呼ばれる板状の土を使って形を作る技法をタタラ作りといいます。 タタラは、タタラ板と呼ばれる細長い板を使い、土の塊を薄く均一の厚みにスライスして作りますが、棒状のもので土を押しつぶして作られることもあります。 型を使う場合には、石膏などでつくった型に、タタラを押し当てて成形します。 この方法では、シンプルな形だけではなく変わった形の器も作ることが可能であり、型を使うことで、同じ形の器を効率よく複数作ることもできます。 タタラを型に押し当てる際に表面にわずかな凹凸ができたり、人の手によって仕上げが施されることで、少しずつ個体差がでてくるのが特徴。 その個体差により、作品は柔らかさと温かみを感じさせる表情に。 他にもタタラを曲げたり、タタラ同士を貼り合わせたり組んだりして、箱状や筒状のものなどさまざまな形のものを作ることができます。 こちらも、手仕事によるゆがみが愛嬌となります。 さらに、タタラ作りと「スリップウェア」という装飾技法を組み合わせて作られる作品もあります。 これは、スリップと呼ばれる泥状の化粧土でタタラに模様を描いた後、型に押し当てて成形することで、デザイン性に富んだ焼き物ができあがります。 タタラ作りもろくろと同じように、大量生産にはない魅力を持っています。

|鋳込み

・歪みが少ない、すっきりとした表情

鋳込みとは、土を泥状にしたものを、石膏でつくった型に流し込んで成形する技法。 機械を使って型で成形することにより、ろくろやタタラよりも高い精度で、ほぼ同じ形の器を数多く作ることができます。 器に均一な仕上がりを求める場合に向いている技法といえます。 また、細かい装飾が施された器を大量生産したい場合でも、型を使うことで繊細な模様を同じように出すことができるのです。 器が均一な形に仕上がることのメリットは、使いやすさ。 器の底面のゆがみが少ないので、スタッキングしやすく、器を重ねてもぴったりと重なります。 さらに、鋳込みを用いることでしか出来ない表現もあります。 楕円や四角などのほか、タタラ作りやろくろ成形では難しい不規則な形のものを作ることが可能に。 また、型ならではの完成度があるシャープなフォルムも魅力です。 歪みが出ないすっきりとした形に出来上がるからこそ、個性のある釉薬や装飾が映える作品が期待できます。 しかし、石膏型を作ったり、泥漿を準備するために特別な材料や道具、設備が必要となるので制作環境が整っていないと難しい成形技法といえます。

|最後に

・作り手の目指すもので変わる

いくつかの成形技法をご紹介しましたが、このほかにも「手びねり」や「紐づくり」など手で1つずつ作っていく技法もあります。 素材だけではなく、その成型方法によっても作品の雰囲気はまったく変わり、それぞれの技法でしか出せない表情があります。 さらに、作家さんや窯元さんによっては目指しているイメージを表現するために、独自の成形技術が使われていることも。 ぜひ、器を楽しむ際にはその器が完成するまでに辿ったであろう工程にも思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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