やちむんといえば、琉球ガラスに並ぶ沖縄の伝統工芸品であることはご存知かと思います。
やちむんとは沖縄の言葉で「焼き物」という意味で、そのぽってりとした素朴で温かみのある雰囲気が特徴です。
今回は、そんなやちむんの中でもお皿にフォーカスして魅力や種類、窯元、そしておすすめのやちむんをご紹介していきます。
目次
- やちむんのお皿の特徴
- やちむんのお皿の種類
- やちむんのお皿の有名窯元
- やちむん工房 與那嶺
- やちむん工房 與那嶺 唐草染付 4寸皿 パステルシリーズ(水色)
- 育陶園
- やちむん 育陶園 唐草線彫 7寸皿 緑釉唐草白抜
- 陶眞窯
- やちむん 陶眞窯 四角皿(8.5cm) コバルト唐草
- まとめ|やちむんのお皿で温もりある食卓をつくろう
| やちむんのお皿の特徴
沖縄県中頭郡読谷村など本当を中心に生産されているやちむんは、その島を越えて全国各地にファンがいるほど人気の焼き物となっています。
やちむんの人気の理由を語るうえでは、まずその特徴をお話しなければなりません。
ではやちむんには、どういった特徴があるのかというと以下のようなものがあげられます。
- 彩り豊かな色合い
- やちむん独特の紋様
- ぽってりとした厚み
まずは、それぞれの特徴についてご紹介していきましょう。
やちむんのお皿の特徴①彩り豊かな色合い
やちむんの特徴その1としては、彩り豊かな色合いです。
基本的には、深い青や緑、茶色などいわゆるアースカラーを用いています。
ナチュラルな印象を覚えるその色合いは、自然豊かな沖縄らしさを感じるのではないでしょうか。
やちむんの代表的な釉薬は、大きく分けてオーグスヤーとシルグスイの2種類があります。
オーグスヤーは、真鍮を混ぜたもみ灰に水を加えて団子状に丸め、さらに1,000〜1,100度の温度で焼成しできたセージモトに土灰・具志頭白土・透明釉を混ぜ合わせて作る緑色の釉薬です。
一方シルグスイは、サンゴを焼いて消石灰を創り籾殻を加えて20時間という長い時間をかけて焼成し、そこに具志頭白土と白化粧土を混ぜ合わせてできる透明釉がシルグスイです。
この他にも、さまざまな釉薬を使って彩り豊かな器を作っています。
以下にやちむんで使われている色・釉薬について表でまとめてみました。
釉薬 | 特徴 |
---|---|
シルグスイ | サンゴからできた消石灰と籾殻を混ぜて20時間焼成後、具志頭白土と白化粧土を加えた透明釉。 |
オーグスヤー | 真鍮ともみ灰を混ぜたものに水を加えて焼成後、土灰・具志頭白土・透明釉を混ぜ合わせた緑色の釉薬。 |
クルグスイ | ニービと呼ばれる砂岩石とマンガンをもとに作った黒色の釉薬。 |
アカーグゥー | クルグスイを用いて作られる飴色の釉薬。 |
ミーシルー | サトウキビの灰をもとに作られるキビ乳白の釉薬。 |
コバルト | 酸化コバルトを原料とした鮮やかなブルーの釉薬。 |
やちむんでは、こうしたさまざまな釉薬を使って彩り豊かな器を作っています。
やちむんのお皿の特徴②やちむん独特の紋様
やちむんのお皿の特徴を語るうえで忘れてはいけないのが、その独特な紋様です。
みなさんの中には、やちむんといえば「ドット柄」をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
このドット柄は、正式には「点打ち」と呼ばれていて、今ではやちむんの代名詞と言っても過言ではありません。
この他にもやちむんならではの紋様があり、それぞれ以下にまとめてみました。
紋様 | 特徴 |
---|---|
点打ち | ドット柄・水玉模様のような柄のこと。 |
唐草模様 | 蔦のような模様のこと。やちむんの中でも多い柄で、長寿・子孫繁栄・永遠といった意味があります。 |
いっちん | 泥状にした白化粧土をスポイトを用いて絵付けしたもの。やちむんの伝統的な技法。 |
線彫り | 壺屋焼では一般的な模様で、主に魚がモチーフになったもの。 |
赤絵 | デイゴやブーゲンビリアなど沖縄の県花モチーフが多く、琉球の伝統的な技法を用いた紋様。 |
飛び鉋 | 工具の刃先を用いて連続的な削り目を付ける技法。 |
その他 | その他にも青刷毛目、櫛描き、指描きなど多彩な柄もあります。 |
やちむんのお皿の特徴③ぽってりとした厚み
やちむんのお皿には、色や紋様の他に風合いにも特徴がみられます。
やちむんのお皿はぽってりとした厚みがあり、その見た目から温かさ感じられるものが多いです。
土の風合いや作家さんの手作り感も魅力の一つで、素朴な風合いや優しげな雰囲気を味わうことができます。
他にもどんぶりの「マカイ」や泡盛を入れる「抱瓶(だびちん)」、めでたい席でお酒を入れる「嘉瓶(ゆしびん)」、沖縄の言葉で急須という意味の「チューカー」、酒器の「カラカラ」など沖縄特有の器が多く作られているのも特徴といえるでしょう。
| やちむんのお皿の種類
やちむんは、沖縄の言葉で「焼き物」という意味だという話をしましたが、実は「上焼(じょうやち)」と「荒焼(あらやち)」という2種類に大別されます。
上焼は、やちむんの中では主流の種類で、絵付けなどによって紋様を施したあと釉薬をかけて1,200度以上の高温で焼成したものです。
荒焼は、釉薬をかけずに1,100度前後の温度で焼成した種類で土本来の風合いが特徴となっています。
荒焼は、別名「琉球南蛮焼」とも呼ばれる焼き物です。
| やちむんのお皿の有名窯元
やちむんは沖縄本島を中心にたくさんの窯元が存在しており、中でも沖縄県中頭郡にある読谷村には70以上もの窯元が日々やちむんを生み出しています。
それぞれの窯元によって、個性豊かなものから伝統的なものを作っているところまでさまざまです。
ここからは、そんな数あるやちむんの窯元の中から当サイトでもお取り扱いさせていただいている以下の3つの窯元さんをご紹介していきましょう。
- やちむん工房 與那嶺
- 育陶園
- 陶眞窯
| やちむん工房 與那嶺
沖縄県の西原町に工房と小さなSHOPを構える「やちむん工房 與那嶺」さんは、「日常を楽しいに変える」をテーマに日々やちむん作りに励んでおられます。
2019年4月1日に独立されたばかりで、伝統を大切にしながらも新しいやちむんの表現にもチャレンジし続けている窯元です。
沖縄県内最大といわれる総合美術展「沖展」においては実に6回の入選を果たしており、これからのやちむんを担う窯元といえるでしょう。
公式インスタグラムでは、日々制作しているやちむんを公開しており、その素敵な器の数々を見ることができます。
中には、上記の投稿のように豆皿から大皿までいろんなサイズのお皿も作っており、自分好みのお皿を見つけることができるでしょう。
| やちむん工房 與那嶺 唐草染付 4寸皿 パステルシリーズ(水色)
やちむん工房 與那嶺さんより、「唐草染付 4寸皿 パステルシリーズ(水色)」のご紹介です。
伝統的な唐草染付としてやちむんらしさを感じさせながら、ライトブルーを用いることでこれまでのやちむんとは異なる新鮮な表情を楽しませてくれるお皿となっています。
4寸皿となっていますので、取り皿としてはもちろん小皿としてもお使いいただくことが可能です。
パステルカラーのライトブルーとピンクの二色展開となっています。
| 育陶園
沖縄県那覇市にある壺屋にて、約300年の歴史を紡ぎ続ける壺屋焼の窯元「育陶園」さん。
沖縄で取れる土や釉薬を使うことにこだわっており、代々受け継がれてきた伝統技法と紋様と現代的なデザインを融合させた新しいやちむんを提供しています。
公式インスタグラムでは、やちむんのある暮らしを写真を通じて発信しながら、さまざまな作品やその製造工程を公開しています。
画像の素敵な絵柄が描かれた四角皿の他にも、沖縄のどんぶり「そばマカイ」なども掲載していますのでぜひチェックしてみてください。
| やちむん 育陶園 唐草線彫 7寸皿 緑釉唐草白抜
育陶園さんからは、「唐草線彫 7寸皿 緑釉唐草白抜」のご紹介です。
下絵を書かずに描かれるその線彫りは、非常に洗練された雰囲気となっています。
そのまま飾って眺めたくなるような美しさで、お料理を盛り付ければ一層美味しく感じそうです。
非常に使い勝手の良い7寸皿で、大皿としてチャンプルー料理などを盛り付けOKですし、カレーライスなどにもぴったりなサイズ感となっています。
| 陶眞窯
「陶眞窯」さんは、沖縄の土をベースにして作られたブレンド土を仕様しており、沖縄の伝統的な釉薬「シルグスイ」など、さまざまな釉薬を手作りしている壺屋焼の窯元です。
伝統を大切にしながらも常に新しいものを生み続け、やちむんらしさの中に陶眞窯さんの魅力を感じさせる器を日々作っています。
工房に併設されている「やちむんカフェ群青」では、陶眞窯さんにて作られたやちむんのギャラリーがあり、また実際にやちむんの器でピザやパスタなどを食べることができます。
写真ではドット柄の角皿が紹介されていますが、実際にこんな素敵な器で食事をしたら、食後にギャラリーで器を買って帰りたくなりますね。
| やちむん 陶眞窯 四角皿(8.5cm) コバルト唐草
陶眞窯さんからは、「四角皿(8.5cm) コバルト唐草」をご紹介します。
上記でご紹介したドット柄の角皿の他にも、伝統的なコバルト唐草模様の四角皿も魅力的です。
コバルトの優しくも深みのあるブルーが何とも美しく、サイズ違いや色違いなどでも揃えたくなります。
こちらは3寸サイズとなっておりますので、小皿・豆皿としてもお使いいただくことが可能です。
| まとめ|やちむんのお皿で温もりある食卓をつくろう
今回は、やちむんのお皿の特徴や種類、そして人気の窯元についてご紹介しました。
お皿と一言に言っても、そのデザインや形状は多種多様です。
大皿や角皿、豆皿・小皿など用途に合わせて、いろんなやちむんのお皿を食卓に並べてみてはいかがでしょうか。
沖縄の温かな雰囲気を感じながら、素敵な食卓を演出することができますよ。
お皿の他にも、お茶碗やどんぶり、マグカップなど幅広い焼き物がありますので、ぜひお気に入りの一品を見つけてみてください。
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