陶器と磁器の違いって何?特徴や歴史について解説!

日本の食卓には、陶器や磁器などさまざまな素材の食器が並んでいます。
今でこそ当たり前の光景ですが、実は陶器・磁器の歴史は古いことをご存知でしょうか。

この記事では、陶器・磁器の違いや歴史について解説するとともに、洗い方やお手入れ方法、陶器・磁器それぞれのおすすめ商品もご紹介していきます。

目次

  1. 陶器とは?
  2. 磁器とは?
  3. 陶器と磁器の特徴と違い
  4. 陶器と磁器の歴史
  5. 陶器と磁器の洗い方・お手入れ方法
  6. 陶器はこんな方におすすめ
  7. 昇陽窯 碧 しのぎフリーカップ
  8. 古谷製陶所 サビ釉 輪花小鉢
  9. 津軽金山焼 楕円カレー鉢 大 りんごの森
  10. 土本製陶所 UZUプレートM アンティークホワイト
  11. やちむん 陶眞窯 6寸プレート 染付 ドット(アメオリベ)
  12. 磁器はこんな方におすすめ
  13. 有田焼 金照堂 麟LIN NEW YORK EARTH マグカップ
  14. 波佐見焼 藍染窯 ブロンズ オーバルボウル ブルー
  15. カネコ小兵製陶所 ぎやまん陶 茄子紺ブルー 四寸皿
  16. 臼杵焼 輪花ゴブレット
  17. 萬古焼 藍窯 モーニングプレート(ビードロ)
  18. まとめ 陶器と磁器の違いを知って、生活を彩る一品を

| 陶器とは?

陶器の湯呑

陶器とは、主原料に陶土を用いており800〜1,300℃で焼いたものです。
陶土を使用することから、別名「土物」と呼ぶこともあります。

陶器の特徴としては、「熱しにくく冷めにくい」という点です。
熱伝導率が低いため、熱い飲み物を飲む場合におすすめといえるでしょう。

また磁器と比較すると吸水性が高いのですが、水を通すことはありません。
その理由としては、釉薬を施すからです。

日本の有名な陶器としては、以下のようなものがあげられます。

信楽焼 萬古焼 美濃焼 唐津焼
瀬戸焼 益子焼 萩焼 備前焼
丹波立杭焼 小鹿田焼

【釉薬(うわぐすり・ゆうやく)とは】
素焼き段階の陶磁器の表面に塗布する薬品のことです。塗布しておけば、焼くことでガラス質になります。仕上がりにツヤ感が出したり、水の浸透を防いだりすることが可能です。

| 磁器とは?

磁器の湯呑

磁器とは、主原料に陶石を用いており1,200〜1,400℃程度で焼いたものです。
具体的には、陶石を砕いて粉末化した石粉を使用します。
そのため、別名では「石物」とも呼ばれる器です。

陶器と比較すると、吸水性が非常に低く硬度が高い点が特徴となっています。
また熱伝導率が高く、「熱しやすく冷めやすい」のも磁器の特徴です。

日本の有名な磁器としては、以下のようなものがあげられます。

九谷焼 砥部焼 京焼 有田焼(伊万里焼)

| 陶器と磁器の特徴と違い

磁器のコーヒーカップ

上述でお話した通り、陶器と磁器では異なる特徴があります。
使用している素材や産地だけでなく、製法・仕上がりにも違いがあるのです。

以下では、さまざまな角度から陶器・磁器の違いについてご紹介していきます。

陶器と磁器の製法の違い

陶器や磁器を総称して「陶磁器」と呼びます。
この陶磁器の基本的な製法は、以下です。

  1. 原料の準備
  2. 土練り
  3. 成形
  4. 焼成
  5. 窯開き


この5つの工程で、「①原料の準備」と「④焼成」に陶器と磁器の違いがあります。
まず原料の準備については、以下の通りです。

陶器 磁器
①陶土を掘り出す ①陶石を掘り出す
②乾燥させて細かく砕く ②陶石を細かく砕く
②水に溶かして自然乾燥させる ②水を混ぜて粘土状にする

このように原料そのものの違いと、準備の工程に違いがあります。
素地については、陶器のほうが焼きが柔らかくガラス質が少ない分多孔性です。
磁器は、焼きが固くガラス質によって気孔が少なくなります。

次に焼成の違いについてです。
陶器は、一般的に800〜1,300℃の温度で10〜48時間ほど焼きます。
磁器は、1,200〜1,400℃で陶器と比較すると高温です。
また磁器に関しては、絵付け後さらに低温で焼きます。

こうした工程の違いによって、仕上がりにも違いが現れるのです。

陶器と磁器の仕上がりの違い

基本的に陶磁器の主成分は、長石・珪石・粘土です。
それぞれの割合を変えることで、陶器・磁器それぞれの風合いと違いがでます。

例えば、以下のような割合です。

陶器 磁器
長石 10% 30%
珪石 40% 40%
粘土 50% 30%

陶器は、磁器と比べるとガラス質が少ないです。
ガラス質が少ないということは、水を吸いやすくなります。
そのため陶器は磁器よりも吸水率が高く、磁器は吸水率がほぼ0%です。

また指で弾いたときの音にも違いがあります。
陶器は、磁器よりも十分に焼き締まらないため鈍い音が鳴るのです。
一方磁器は、焼き締まっているためチンと高い音が鳴ります。

陶器と磁器の違いは、これだけではありません。
それぞれの特徴と違いを表で、わかりやすくまとめてみました。

陶器 磁器
主原料 陶土 陶石
素地 焼きが柔らかく多孔性 焼き固く気孔が少ない
吸水性 10%程度※通常は釉薬によって水を通さない ほぼ0%
透明度 なし あり
色合い 淡色が多い 純白色
厚み 厚みがあり落とすと割れやすい 硬くて薄い
表面 ザラザラしている ツルツルしている
指で弾いたときの音 鈍く低い音 澄んだ高い音

| 陶器と磁器の歴史

磁器の茶器

今でこそ当たり前に使用されている陶器や磁器ですが、その歴史は今から1万年以上前に始まったとされています。
その歴史に触れることで、より器としての魅力を知ることができるでしょう。

ここからは、陶器・磁器の歴史をご紹介していきます。

陶器のはじまりは約1万年以上前

今から1万年以上前、農耕や牧畜生活が始まった時代に、食料の調理や備蓄のために土器が作られるようになりました。
土器としては、縄文土器や弥生土器が有名です。

その後に登場する土師器(はじき)は、古墳時代(5世紀)から奈良・平安時代まで生産されていました。
諸説ありますが、江戸時代まで生産されていたという話もあります。
また同じ時代に、須恵器(すえき)という陶質土器も存在しました。

飛鳥・奈良時代には、素焼から釉薬を使った陶器が生産されるようになります。
この時代の陶器としては、緑釉陶器や三彩陶器が有名です。

そして鎌倉時代には、日本各地にさまざまな窯が作られます。
それらの窯は、現在も存在しており「六古窯(ろっこよう)」と呼ばれる由緒ある窯です。

六古窯
窯の名称 産地
瀬戸窯 愛知県 瀬戸市
常滑窯 愛知県 知多半島
越前窯 福井県 織田町
信楽窯 滋賀県 信楽町
丹波窯 兵庫県 多気郡
備前窯 岡山県 備前市

安土桃山時代には、茶の湯が盛んになります。
その影響もあって、日本の陶器は独自の発展を遂げていきました。

またこの頃には、各産地がそれぞれの色を求めるようになります。
代表例としては、「瀬戸黒」「黄瀬戸」「志野の白」「織部の緑」です。

磁器のはじまりは江戸時代

磁器が日本で使われ始めたのは、陶器よりもあとの江戸時代でした。
朝鮮からやってきた陶工「李参平」が佐賀県有田で陶石を発見します。
その陶石を使って、伊万里と呼ばれる磁器を作ったのが始まりです。

磁器の登場によって、酒井田柿右衛門などによる色絵磁器が創始されます。
さらに、幕府や将軍たちへの献上品としても扱われるようになりました。
こうして色彩豊かな磁器が増え、江戸時代後半から末期にかけて日本各地に磁器生産が広まっていきます。

明治時代に入ると陶磁器産業は、欧米文化の到来によってさらなる発展を遂げました。
安価で高品質なものが大量生産できるようになり、現代の磁器へと続いていきます。

| 陶器と磁器の洗い方・お手入れ方法

陶器や磁器は、日常的に使う器だからこそ日頃の洗い方などには注意が必要です。
また歴史ある陶器・磁器を大切に扱えば、より愛着が湧いてくるでしょう。

ここでは、陶器と磁器の洗い方やお手入れ方法についてご紹介します。

使う前に「目止め」する

陶器は、磁器に比べると吸水性が高いという話をしました。
そのため、料理の水分や油が染み込みやすい特徴があります。
繰り返し使用していると、汚れや臭いの原因にもなるでしょう。

そういった問題を防ぐ方法として、「目止め」があります。
目止めの方法は、以下の手順です。

  1. お米のとぎ汁を用意する
  2. とぎ汁に器を付ける
  3. 15〜20分ほど沸騰させる

目止めをすることで、器に水分や油分が染み込むのを防止することができます。
また陶器・磁器関係なく、「貫入」といって表面のガラス層にヒビが入ることがあるので注意が必要です。
貫入が現れると、そのヒビから水分が浸透しカビの原因につながるので気をつけましょう。

洗うときは擦らないように注意

上絵付けが施されている陶器や磁器については、こすらないように気をつけましょう。
特に金・銀彩が施されているものは、絵が剥がれることがあるので注意が必要です。
スポンジなど柔らかいものを使って、優しく洗うようにしてください。

また吸水率の高い陶器に関しては、カビ防止のために洗ったあとはしっかりと乾燥させるようにしましょう。

もし洗っているときや使用中などに手を滑らせて器を割ってしまった場合は、「金継ぎ」によって修理できる可能性があります。
金継ぎによってまた異なる風合いが出ますので、割れた場合もすぐには捨てず金継ぎを検討してみましょう。

| 陶器はこんな方におすすめ

陶器は、やわらかい色合いが特徴のため温もりを感じたいときにおすすめです。
また土の性質的に保温効果に優れるため、ホッと一息つきたい方にもぴったりでしょう。

そしてザラザラとした表面は、泡をまろやかにする効果があります。
炭酸飲料など発泡している飲み物が好きな方にもおすすめです。

では、陶器のおすすめ商品をご紹介していきます。

| 昇陽窯 碧 しのぎフリーカップ

丹波焼・昇陽窯の「碧 しのぎフリーカップ」です。
この「碧シリーズ」は、マットな青緑色がとても綺麗で非常に人気の高いシリーズとなっています。
深みのあるその色合いは、凛と佇むような落ち着きがあり素敵です。
全面に施されたしのぎが美しく、食卓が華やかなでエレガントな雰囲気になります。

昇陽窯 碧 しのぎフリーカップの詳細を見る

| 古谷製陶所 サビ釉 輪花小鉢

信楽焼・古谷製陶所の「サビ釉 輪花小鉢」です。
マットな質感が温かみを与え、とても素朴な雰囲気のある器になっています。
アンティークなデザインで、食卓をおしゃれに演出してくれるでしょう。

古谷製陶所 サビ釉 輪花小鉢の詳細を見る

| 津軽金山焼 楕円カレー鉢 大 りんごの森

津軽金山焼の「楕円カレー鉢 大 りんごの森」です。
水玉の可愛らしい模様があしらわれたカレー鉢になっています。
焼き締めによる素朴さと釉薬の使いやすさを兼ね備えた商品です。

津軽金山焼 楕円カレー鉢 大 りんごの森の詳細を見る

| 土本製陶所 UZUプレートM アンティークホワイト

萬古焼・土本製陶所の「UZUプレートM アンティークホワイト」です。
アンティークな雰囲気で、ほのかにクリームがかったホワイトが美しい商品。
料理を引き立てる色合いであり、土物の温もりも感じることができます。

土本製陶所 UZUプレートM アンティークホワイトの詳細を見る

| やちむん 陶眞窯 6寸プレート 染付 ドット(アメオリベ)

やちむん壺屋焼・陶眞窯の「6寸プレート 染付 ドット(アメオリベ)」です。
やちむんらしさが感じられる、丸い模様が愛らしい商品となっています。
朝食のトーストを乗せてもよし、大きめの取皿として使ってもよしです。

やちむん 陶眞窯 6寸プレート 染付 ドット(アメオリベ)の詳細を見る

| 磁器はこんな方におすすめ

磁器は、クールな印象を与えるものが多いです。
そのため、涼しげな雰囲気を作りたいときにぴったりといえます。

また飲み口が薄いため、口当たりがすっきりしているのが磁器の特徴です。
お茶本来の味わいを楽しみたい方におすすめできます。
白い磁器のものであれば、お茶の水色(すいしょく)を楽しむのにもよいです。

では、磁器のおすすめ商品をご紹介していきます。

| 有田焼 金照堂 麟LIN NEW YORK EARTH マグカップ

有田焼・金照堂の「麟LIN NEW YORK EARTH マグカップ」です。
メタリックな印象で、アンティーク調のデザインとなっています。
角度によってさまざまな表情を見せ、眺めるだけでも楽しい商品です。

有田焼 金照堂 麟LIN NEW YORK EARTH マグカップの詳細を見る

| 波佐見焼 藍染窯 ブロンズ オーバルボウル ブルー

波佐見焼・藍染窯の「ブロンズ オーバルボウル ブルー」です。
藍染窯のブロンズシリーズは、ヴィンテージ感のある風合いで大人気商品となっています。
マットで少しザラザラとした風合いが独特の雰囲気を醸し出し、非常に個性的です。
鮮やかながら、落ち着きのあるブルーが食卓を彩ります。

波佐見焼 藍染窯 ブロンズ オーバルボウル ブルーの詳細を見る

| カネコ小兵製陶所 ぎやまん陶 茄子紺ブルー 四寸皿

美濃焼・カネコ小兵製陶所の「ぎやまん陶 茄子紺ブルー 四寸皿」です。
江戸時代〜明治初期にかけて使われていたガラスを意味する「ぎやまん」。
ガラスのような艷やかな質感と漆器のような風合いが表現された一品です。
深みのあるブルーがとても美しく、ラグジュアリーな雰囲気を持っています。

カネコ小兵製陶所 ぎやまん陶 茄子紺ブルー 四寸皿の詳細を見る

| 臼杵焼 輪花ゴブレット

臼杵焼・USUKIYAKI研究所の「輪花ゴブレット」です。
どこかアンティークで、洗練された雰囲気のあるゴブレットとなっています。
飲み物はもちろん、カットフルーツなどを盛るのにもおすすめです。

臼杵焼 輪花ゴブレットの詳細を見る

| 萬古焼 藍窯 モーニングプレート(ビードロ)

萬古焼・藍窯堀内製陶所の「モーニングプレート(ビードロ)」です。
淡い薄緑をした色味で、爽やかなモーニングタイムにぴったりな器となっています。
シンプルなデザインなので、どんな料理とも相性がよいです。

萬古焼 藍窯 モーニングプレート(ビードロ)の詳細を見る

| まとめ 陶器と磁器の違いを知って、生活を彩る一品を

磁器の小皿

今回は、歴史ある陶器と磁器についてご紹介しました。
その歴史は今から1万年以上前に始まり、現代まで日本の生活を支えてきたのです。
時代の流れとともに各地でさまざまな窯が誕生し、地域ごとに異なる特徴を持った器が作られました。

一般的には「陶磁器」としてまとめて表現されることの多い陶器と磁器ですが、実は製法や原料、仕上がりなどにたくさんの違いがあります。
実際に手にとって見比べてみると、その違いをより実感できるでしょう。

ぜひこの機会に陶器・磁器を手にとってみて、彩り豊かな食卓にしてみてはいかがでしょうか。

陶器・磁器の商品はこちらからご覧いただけます。

やちむん
有田焼
波佐見焼
丹波焼
信楽焼
京焼・清水焼
津軽焼
美濃焼
萬古焼
臼杵焼
笠間焼

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