王地山焼は、江戸時代末期、文政年間(1818〜30)、篠山藩主であった青山忠裕(あおやまただやす)がこの王地山の地に築いた藩窯です。製品は、青磁・染付・赤絵などの中国風の磁器を模したものが多く、手彫りの土型で素地を型押し成形するなど、繊細かつ高度な技術をもって作られていました。当時は一般に出回ることが少なく「幻の陶磁器」であった器。王地山陶器所は、廃窯から100年以上の時を経た昭和63年(1988)に、同じ王地山の麓に復興され、独特の緑色の青磁、染付、赤絵などの作品を当時の技法を使って製作されています。「幻の陶磁器」と呼ばれた上品な風合いのうつわを毎日の食卓でお楽しみください。